
近年、デジタルデータが増え続ける中で、自宅でのデータ管理に悩む方も多いのではないでしょうか。そんな時に活躍するのが、NAS(Network Attached Storage)です。
私は、スマホの容量が写真・動画データで圧迫とミラーレスの写真データも整理したかったため、NASを導入しました。 今回は、私が実際に導入したSynology(シノロジー)社の人気モデル「DS223j」を例に、その組み立てから導入メリット・デメリット、そして活用方法までを解説します。
- 🛠️ 組み立て編:家庭用NASのセットアップは意外と簡単!
- 💡 導入メリットとデメリット:なぜ家庭にNASが必要なのか?
- 🚀 今後の使用例:NASが拓く便利なデジタルライフ
- 結び:安心して使える「データ保管庫」を自宅に
🛠️ 組み立て編:家庭用NASのセットアップは意外と簡単!
家庭用NASの導入というと、専門的な知識が必要そうに感じるかもしれませんが、Synology DS223jの組み立ては非常にシンプルで、初心者でも迷うことなく行えます。
NAS本体とストレージの準備
私が選んだのは、信頼性の高いWD Red Plusの2TBハードディスク2台です。NASは24時間365日稼働することが多いため、耐久性に優れたNAS専用のハードディスクを選ぶことがデータ保護の観点からも非常に重要です。
ポイント: NAS用のHDD(例:WD Red Plus)は、一般的なPC用HDDよりも高い耐久性と安定性を持ち、NAS環境での連続稼働に最適化されています。
HDDの取り付け
DS223jはツールレス(ネジ不要)で取り付けられるモデルではありませんが、付属のネジとドライバーを使えば簡単にHDDを固定できます。
- NAS本体のカバーを開けます。(写真のように、NASの側面カバーをスライドさせるか、背面ネジを外します。)
- HDDを所定のベイに差し込み、底面からネジでしっかりと固定します。
- 2台目のHDDも同様に取り付けます。
- カバーを元に戻し、ネジを締めれば、物理的な組み立ては完了です。
- 組み立てが終われば、LANケーブルを接続し、電源を入れます。フロントパネルのLEDランプ(STATUSやLAN)が点灯し、システムが起動し始めます。

初期設定とRAID構成
- 電源が入ったら、PCからブラウザでアクセスし、Synology独自のOS「DSM(DiskStation Manager)」をインストールします。このDSMが、NASを管理するための直感的で多機能なコントロールパネルになります。
- セットアップの過程で、データの保護方式であるRAID(Redundant Array of Independent Disks)構成を選択します。
- RAID 1(ミラーリング): 2台のHDDに同じデータを書き込みます。片方のHDDが故障してもデータが失われないため、データの可用性と冗長性が最も高まります。容量は装着したHDD1台分(例:2TB)。
- SHR(Synology Hybrid RAID): Synology独自の方式で、異なる容量のHDDが混在しても効率的にRAIDを組めます。初心者には特におすすめの構成です。
私はデータバックアップを最優先したかったため、今回はRAID 1(またはSHR)を選択しました。これで、万が一HDDの1台が故障しても、データを失うことなく運用を継続できます。
💡 導入メリットとデメリット:なぜ家庭にNASが必要なのか?
家庭用NASを導入することで、自宅のデジタルライフは大きく変わります。
✅ メリット:プライベートクラウドの実現
- 究極のデータバックアップ:最も大きなメリットは、データの消失リスクを大幅に減らせることです。PCやスマートフォンのデータを共有フォルダに集約し、RAID構成と組み合わせることで、信頼性の高いデータ保管庫となります。
- 大容量ストレージ:クラウドサービスの容量制限や月額料金を気にすることなく、テラバイト単位の大容量を自由に使えます。
- どこからでもアクセス可能:QuickConnectなどの機能を使えば、外出先からスマートフォンやPCで自宅のNASに安全にアクセスできます。まるで自分専用のプライベートクラウドを持つようなものです。
- 写真・動画の一元管理:Synology Photos(写真アプリ)を利用すれば、スマートフォンで撮影した写真や動画を自動でバックアップ・整理できます。写真の管理や家族との共有が非常に楽になります。
- メディアサーバーとしての利用:DLNA対応のテレビやプレーヤーと連携し、NASに保存した動画や音楽をストリーミング再生できます。
❌ デメリット:考慮すべき点
- 初期費用:NAS本体とHDD(今回はWD Red Plus 2TB 2台)の購入に初期費用がかかります。市販のモバイルHDDより高価になることが多いです。
- 設定の手間:初期設定やRAID構成の知識が多少必要です。ただし、DSMのインターフェースは非常に分かりやすいため、一度設定してしまえば運用は簡単です。
- 電気代:24時間稼働させるため、わずかですが電気代が発生します。ただし、DS223jのような省電力モデルであれば、そのコストは最小限に抑えられます。
- セキュリティ対策:外部からアクセス可能にする場合、セキュリティ設定(パスワードの強化、二段階認証など)をしっかり行う必要があります。マルウェアやランサムウェアへの対策も怠らないようにしましょう。
🚀 今後の使用例:NASが拓く便利なデジタルライフ
NASは単なるファイルサーバーではありません。Synologyの豊富なパッケージ(アプリ)を利用することで、様々な形で活用できます。
写真・動画の自動バックアップと整理
Synology Photosをスマートフォンにインストールすれば、撮影した写真(例:IMG_6866.png、IMG_6867.pngなど)を自動でNASにバックアップできます。iPhoneの容量不足解消にも役立ちます。

ドキュメントの共有と共同作業
仕事や趣味のドキュメントをNASの共有フォルダに保存すれば、家族やチームメンバーと簡単にファイルを同期・共有できます。Synology Driveは、Google DriveやDropboxのような使い勝手で、リモートアクセスも可能にします。
ホームサーバーとしての活用
ウェブサイトのホスティング、メールサーバー、そして最近注目されている仮想化環境の構築(上位モデル限定)など、家庭内でのITインフラの中心として機能します。
セキュリティカメラの録画サーバー
Surveillance Stationというパッケージを使えば、対応するIPカメラを接続し、NASを監視カメラの録画サーバーとして利用できます。自宅のセキュリティ強化に役立ちます。
さらなるデータ保護のための外付けバックアップ
RAIDはHDD故障対策にはなりますが、火災や盗難、ランサムウェアによるデータ破壊には無力です。Hyper Backupパッケージを使い、NASのデータをさらに外付けHDDやクラウドサービス(例:Google Drive)にも二重バックアップすることで、信頼性が飛躍的に向上します。これが3-2-1ルールというバックアップ戦略の基本です。
結び:安心して使える「データ保管庫」を自宅に
Synology DS223jのような家庭用NASは、私たちの増え続けるデジタルデータを整理し、安全に保管するための最も優れたソリューションの一つです。
初期の組み立てと設定を乗り越えれば、その後の運用は非常に快適です。あなたもこの機会にNASを導入し、データ管理の悩みから解放されてみてはいかがでしょうか。






